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倫理的なサイバーセキュリティをビジネスの将来に組み入れる

個人情報のセキュリティ保護への要求は、年々、際限なく複雑化している。

政府自らがサイバーセキュリティの基礎的問題そのものに取り組んでいるにもかかわらず、脅威が高まるのと同時に、ビジネスに対する法的規制や倫理的な要件も同じように高まっている。

「政府も企業も一般の人々も、ヨーロッパのサイバーセキュリティ業界へ、自らの必要性に応じて効果的かつ実用的にセキュリティを確保する方法について尋ねにやって来る。そして、CANVASは、そうした答えを必要とする人々に対する答えを見つけるのを支援してくれるだろう」とエフセキュアのセキュリティアドバイザー、ショーン・サリバンは説明する。

CANVAS Consortium(Constructing an Alliance for Value-driven Cybersecurity)は、「技術開発者と、法学者や倫理学者や社会科学者とが一緒になって、どのようにしたらサイバーセキュリティがヨーロッパの価値観および基本的権利と協調できるかという課題に取り組むために」、欧州委員会(EC)によって選定された団体である。

「ヨーロッパを代表するICTセキュリティ企業」としてエフセキュアは、サイバーセキュリティ業界の専門家としての意見をCANVASに提言し、このコンソーシアムで生み出される識見を、ヨーロッパ大陸中の他の業界リーダーたちと共有する。

9月中旬、CANVASの11の創設メンバーが初めてチューリッヒに集まり、3年以内に、「European Digital Agenda(欧州デジタル・アジェンダ)の主要分野(医療、ビジネス/金融、警察/国家安全保障)の関係者を集め、サイバーセキュリティと倫理との調整を行う際の課題と解決法について議論すること」を目標に掲げた。

セキュリティと、ネット接続の世界からの需要との間でバランスをとってきた約30年間の実績により、エフセキュアは独自の立場から、そうそうたる顔ぶれの研究者や理論家の集まりに対して、数十年の実践経験を添える。

サリバンは、「もっと啓発活動を行うことによって、政策立案者の間に存在するかもしれない、よくある誤解を解かなければならない技術」の例としてエンドツーエンド暗号化を挙げた。

この取り組みは、公的資産と民間資産を組み合わせ、サイバーセキュリティを向上させることを通じてヨーロッパの技術企業の競争力を伸ばそうとする、ヨーロッパにおける新たなサイバーセキュリティに関する取り組みの一部である。

「人も社会もかつてないほどデジタルインフラへの依存を高めつつあるのに伴い、サイバーセキュリティはますます重要になっていく」と、チューリッヒ大学の上席研究員で、CANVASプロジェクトのコーディネーターを務めるMarkus Christen(マーカス・クリステン)博士は述べた。「しかしその一方で、村を守るために村を焼き払うというようなことは避けることが重要である。」

目的は、素晴らしい技術革新と細心の注意との間でちょうど良いバランスを見つけ、それによってヨーロッパを今後10年間、さらにはその先の技術リーダーにすることにある。そして、現在をセキュアに守りつつも、次に来るものにも目を向けているエフセキュアの持つ能力は、そのプロセスにおいて重要な役割を果たすことになるだろう。

「今日の攻撃者の能力を考えると、何もしないでおくという選択肢はあり得ない」とサリバンは述べる。「しかしその一方で、厳格過ぎても、新たな技術を最大限に活用しようとしている、悪意のない人々や企業を害することになってしまう。」

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