GoogleやFacebookがユーザを盗聴しているかもしれない3つの理由
なぜGoogleとFacebookはユーザの会話を盗聴していないと言い切ることができるのですか?
どちらの企業も、ユーザのすべての行動の追跡に関して異を唱えていません。そして、これらの企業があなたについてどれほど知っているかを理解するためには、あなたのFacebookの「興味・関心」やGoogleの「マイアクティビティ」をチェックすれば分かります。(実際にそれら見ると、いくつかの項目をすぐに削除したいと思うかもしれません。)
特にGoogleアカウントを持っていることを自覚していない多くのユーザがそのページを見たら衝撃を受けるかもしれません。一度でもYouTubeを含むGoogleのサービスにログインしたことがあればGoogleアカウントは作られています。そして、「アクティビティ管理」で制限しない限り、Googleアカウントはユーザのすべてのデバイスからログインしたあらゆるブラウザ上の行動を追跡しているのです。
GoogleとFacebookにとって、顧客は「商品」
インターネットで良く言われる決まり文句は、「あなたが無料で商品やサービスを利用しているのなら、あなた自身が商品である。」というものです。この言葉は自明の理のように思えますが、必ずしも真実であるとは限りません(英語)。しかしながら、FacebookとGoogleには確かに当てはまります。
サイバーサウナポッドキャスト(英語)のホストであるJanne Kauhanen(ヤンネ・カウハネン)(英語)は次のように述べています。「これらの企業にとってのビジネス上の生命線は広告です。そして、マイクを搭載したデバイスを自由にアクセスする方法を手に入れたのです。だからこそ、私は本当にユーザの会話を盗聴していないのかを彼らに質問する正当な理由があると思っています。」と述べています。
実は、四六時中追跡されているからと言っても、ユーザのオンライン行動にさしたる変化はないようです。しかし、身近なデバイスが「盗聴器(英語)」に変わる可能性があるとすれば大変恐ろしいことです。
2016年、Facebookは(英語)広告やコンテンツを配信する目的で会話を聴いているのではないと言いつつ録音を続けました(英語)。しかし、つい最近Facebookはプライバシー侵害問題で最大50億ドルもの罰金を支払うことになる可能性がある(英語)ということに留意すべきです。しかし、この世界最大のソーシャルネットワーク企業にとって、これは「駐車違反切符(英語)」を切られるようなものです。このハイテク界の巨人のユーザ契約書や通達事項をどれほど熱心に読み込んだとしても、彼らの方が多くの弁護士を雇って万全に防御しているのことは間違いありません。
FacebookやGoogleから与えられていると思われるどのような保証にも、おそらく解釈の仕方に余地があるのでしょう。しかしJanneが指摘しているように、録音した音声をユーザ追跡の目的で使用していることを誰かが発見した場合には、「企業イメージはがた落ち」することでしょう。
それでは、なぜこの期に及んでも彼らがユーザに聞き耳を立てている可能性がぬぐえないのか、少し考えてみましょう。
1. GoogleやFacebookにデバイスのマイクへのアクセス権を与えているかもしれない
スマートフォンをお持ちの方は、どのアプリケーションがマイクにアクセスできて現時点も聴ける設定になっているか、今すぐチェックしましょう。
iPhoneで、設定>プライバシー>マイクの順に進み、FacebookまたはGoogleがアクセスできる設定になっている場合は、どちらか一方または両方をオフにできます。また、FacebookにログインしているSafariなどのブラウザを含め、その他のアプリケーションのマイクを無効にすることもできます。
Androidでは、アプリケーションごとにマイクへのアクセスをチェックする必要があります。設定>アプリケーション>アプリケーションマネージャに移動します。Facebookがあれば、許可>マイクをオフにします。
マイクをオフにすると、Facebookアプリケーションで音声付きのビデオを録画できなくなります。しかし、通常のビデオアプリケーションを通して記録してアップロードすることができますので心配はいりません。
2. 他に改善する方法はないのか?
最近Amazonは(英語)、家庭内のAlexaホームアシスタントによって録音された会話を従業員が聞いていたことを認めました(英語)。この小売業界の巨人は、この事実が判明した際に、「もちろん聞いています。それが務めですから!」と回答しています。
Amazonは、「この情報は当社の音声認識と自然言語理解システムを訓練するために利用されます。これによりAlexaはユーザの要求をよりよく理解して、すべてのユーザに対して確実に機能するようになります。」と公言しています。そのうえで、「ゼロトレランス(不寛容)ポリシー」で施行されている厳格な「技術・運用上の保護手段」があると主張しています。
音声認識の品質を保証するには効率的な追跡が必要になります。それでも、多くのユーザは、ホームアシスタントの機能には無関心で「通常の環境」で誰かに聴かれていることはないと考えています。しかし、少なくともAlexaの場合は明らかに聴かれています。そしてユーザは、利用規約に同意した時点で聴かれることにも同意している可能性が高いのです。
3. 音声起動アプリケーションは聴くことが前提
これは当たり前のことのように思えますが、ユーザ自身が聴かせたいアプリケーションを選んだはずです。
ユーザは、FacebookやGoogle検索が自分の会話を聴いているとは思わないかもしれません。しかし、これらのアプリケーションが聴いていないとしたら、OK GoogleやGoogleアシスタントを使用することはできません。Googleが会話を通じて収集した膨大なデータを完全に無視することを期待しているユーザがいるとしたら、その考えは現実離れしています。
もし期待通りなら、音声会話はまだ追跡されていないことになります。
あきれるほど優れた追跡能力
多くの人々は、検索したアイテムを見た後、数々のオンライン広告がポップアップするのを経験しています。これまでにスマートフォンのそばで会話しただけなのにその会話に関する広告が現れたことがありますか?
これは一般的によく起こっている現象です。
しかし、Facebookの元オペレーションマネージャであるSandy Parakilas(サンディ・パラキラス)氏は、ユーザの話した内容(英語)がクリックや検索クエリと同じ方法で追跡されていることはないと考えています(英語)。そして真実はこうです。Facebookは、すでにユーザの情報を大量に保有していることから、そこまでして追跡する必要性などないのです。
「その膨大な情報から何を宣伝すべきか推測することができます。そら恐ろしいほど正確にです」とParakilas氏は語っています。
残念ながら、私達はデジタル技術を通して提供される途方もない便利さと引き換えにプライバシーを犠牲にしています。そして特に貧しい人々ほど(英語)、この悪魔の取り引きがもたらす結果に対処しなければなりません(英語)。
FacebookとGoogleは、文明の歴史において最も急成長した企業です。これまで彼らは、私たちの周辺から生活へと絶え間なく浸透して行きつつも、その影響を慎重に見極めていたからこそ、深刻な事態は起きてこなかったのです。
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