5Gはサイバーセキュリティの脅威になるか?
5Gはサイバーセキュリティの観点で安全なのでしょうか?あらゆる新しいテクノロジーがそうであるように、5Gもまた新たなセキュリティリスクと懸念をもたらします。
実際のところ5Gとは?
5Gは、かつてないほど高速なデータ伝送を可能にするモバイルネットワークの規格です。デバイスの消費電力を削減し、遅延時間を短縮することができるため、オンライン動画を遅延なく視聴できるようになるだけでなく、あらゆる種類のモバイルデバイスやIoTデバイスの機能を高めることで普及が促進されます。移動中でも、より多くのデータの高速処理がが可能になります。
一方、5Gのデメリットはそのカバー範囲にあります。モバイルネットワークでは、データは電波によって送信機からエンドポイントデバイスに転送されます。電波の周波数が低いほど、データ転送速度は遅くなります。しかし、周波数が低いほど送信機からより遠くに移動することができます。5Gは周波数が高いため電波はあまり遠くまで届きません。この弱点を補うために、5Gを使用する機器の近くに送信機(セルタワーとも呼ばれる)を設置する必要があります。送信機のカバーエリアが以前よりも狭いため、より多くの送信機を設置することになります。
5Gはセキュリティリスクになるのか?
5Gの技術自体はリスクではありませんが、そこには脆弱性が潜んでいます。その一部をご紹介します。
1. データのポイズニング
5Gネットワークは主にAIと機械学習技術によって管理されます。これらの技術は、膨大なデータを分析することで機能します。悪意のあるアクターによって、データが操作され、システムが汚染されるる可能性があります。そうすることで死角が作り出され、検知されずに攻撃が可能になります。
2. ネットワーク処理ソフトウェアへの攻撃
脅威アクターがネットワーク処理ソフトウェアを侵害すると、ネットワーク全体を制御して操作することが可能になります。
3. セルとデバイスを標的にする
5Gではより多くの送信機が必要になるため、攻撃対象領域が拡大します。したがって、攻撃者にとっては、潜在的な標的が格段に増加します。また、ネットワーク所有者にとっては、セキュリティ保護すべき対象がはるかに多くなります。たった1つのセルが侵害されただけで、ネットワーク全体に深刻な影響が及ぶこともあります。また、保護する必要のあるネットワーク接続デバイスも増加します。
5Gのセキュリティ問題の詳細については、こちらのブログをご覧ください
5Gのセキュリティ問題は研究途上
5Gは比較的新しい技術であることから、内在するすべてのセキュリティリスクを把握できているわけではありません。しかし、これは5Gのメリットにも同じことが言えます。この技術の長所と短所を知ることは、大変興味深いことです。エフセキュアの戦術防衛ユニットのAnthony Melgarejo(アンソニー・メルガレホ)は次のように述べています。「5Gの脅威と軽減策については、現在も研究が活発に行われています。しかし、これらの脅威は5Gが持つ多くのメリットを活用することを妨げるものではありません。」以下のビデオで、5Gセキュリティに関する彼の見解をぜひご覧ください。
カテゴリ