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革新的なAIサーチプロジェクト『Project Blackfin』 を始動 – ここに至る経緯について

Matti Aksela

19.12.19 5 min. read

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エフセキュアは、今年ヘルシンキで開催されたSLUSHカンファレンスで、非常に斬新なプロジェクト『Project Blackfin(英語)』を発表しました。本投稿では、エフセキュアの AI 担当バイスプレジデントであり、『Project Blackfin』 を率いる Matti Aksela (マッティ・アクセラ)が、本プロジェクトの歴史的な面にフォーカスし、「プロジェクトが何であるのか」、「アイデアはどこから来たのか」、「私たちがこのジャーニーの最初のステップを実践した方法」についてご説明します。

私は、元々トレードとトレーニング分野での機械学習を専門分野とする研究者で、サイバーセキュリティは門外漢の分野でした。そのため、2年半ほど前にエフセキュアに入社した際は、セキュリティ業界での物事の進め方を把握すに努めました。当然ながら、まずエフセキュアのこれまでの業績(2006年以来、機械学習を本番環境で稼働しており、目覚ましい成果を上げています)について理解を深め、競合他社の活動状況、サイバーセキュリティ分野での機械学習の研究、業界アナリストととの対談などの記事を読みふけりました。

その中で気が付いたことは、誰もが基本的に同じことに取り組んでいるということでした。つまり、同じ問題に対して同じ種類の解決策を探しているということです。多少の違いはあっても根本的な違いはないというのが私の率直な感想でした。 しかし、サイバーセキュリティにおける問題の本質を考えると、この業界全体の課題に対処するためのより良い方法があると考えました。それは、検知と対応の領域だけでなく、セキュリティ全般に渡るものです。ヒトの専門知識とAIを含むテクノロジーを組み合わせるというアプローチには100% 同意しています。しかし、この業界としてもう少しスマートに事を運ぶことができれば、もっと多くのことが成し遂げられると考えました。

その結果、広範囲に渡り、協調しコミュニケートするインテリジェントエージェントの分散型集合体という概念が生まれました。この概念は、私がエフセキュアに入社してから数か月後の2017年後半に誕生しました。この考え方に関しては、当社の最高技術責任者(CTO)であるMika Ståhlberg(ミカ・ストールベルグ)との間で、激しい議論を行いました。 当時、この概念にはまだいくつかの要素が欠けていたため、意見の一致を見るまでにさらに数か月を要しました。

そしてついに、2018年の夏の美しく晴れた日に運河を散歩していたとき、欠けていた最後のピースが見つかりました。その後のことは言うまでもありません。あらゆる種類の利害関係者、開発者、データサイエンティスト、製品管理担当者、リーダーシップチームのメンバー、さらには取締役会を含め、関係者間で基本的な合意が形成されました。もちろん、この間の社内活動や議論において多少の混乱があったことは認めざるを得ません。これはまさに、部門にまたがった取組みであり、当社の人工知能研究センターだけで行われたわけではありません。全社員が参加したことで先に進むことができたのです

分散型インテリジェンスプラットフォームの実際の開発は、2019年から開始されました。私たちは、真のインテリジェントエージェントの協業集合体を開発するというビジョンの実現に向けての取組みが、すぐに価値を生み出していることを確認したいと思いました。『Project Blackfin』のビジョンは、至極当然のことであると同時に革新的でもあります。問題にアプローチする一般的な方法とは非常に異なりますが、よく考えれば、ある意味自明の理のように思えるでしょう。

正直に言って「superintelligence(超知能)」を構築するために人間の脳の機能を模倣する、という一般的な風潮には違和感を覚えます。なぜマシンインテリジェンスを1人の人間のように振る舞わせることで能力に制約をかけようとするのでしょうか?私たちは、コンピューターの長所は人間の長所とは非常に異なっていることを知っています。確かに、人間には知性があり、それが「働く」仕組みと同じ構造でAIを開発する必要があると考えるのは自然なことです。最初の一歩として、知性の仕組みを理解しようとする際には、この考え方が有益であることは間違いありません。また、ニューラルネットワークが一部の問題には非常に役に立つことに異論はまったくありません。画像認識におけるDeep Convolutional Network(深層畳み込みネットワーク)などがその好例です。

しかし、人間に翼を背負わせる試みが、いつしか飛行機の開発に移行していったように、ある時点で、より良いソリューションを見つけるためには、既存の枠にとらわれない独創的な発想をする必要があるのです。人間の知能と機械の知能を同様に扱うのではなく、そこには異なる仕組み、異なる知能があることを認めるだけで良いのです。コンピューターの強みは、集約的で効率的な通信ができ、動的で適応性があり、高速で集中的な超並行処理が可能な点です。私たちは、これらの強みに基づいた自然な方法でマシンインテリジェンスを構築するように努力すべきです。

私は、インテリジェント・エージェントの自律協調こそが、マシンインテリジェンスの未来へ通じる道だと信じています。当社にとって、『Project Blackfin』がまさにその道なのです。

ご存知のように、当社はRapid Detection & Responseソリューションにおいて、第1世代の『Project Blackfin』を搭載した製品をリリースしました。エージェント間で連携して動作するだけでなく、全体象を共有し、カスタマイズされたローカル異常検知モデルを通じてお客様に価値を提供しています。

これが今後とも『Project Blackfin』を継続させる方法でもあります。常にビジョンに向かって前進しつつ、お客様とパートナーの皆様に継続的な価値を提供します。『Project Blackfin』は、単に目新しいことをするだけではありません(もちろん、それも数多くできますが)、何よりもまず、今日だけでなく将来の脅威からもすべての人を保護する方法で、当社のお客様を安全に保つことを第一に考えています。

 

Matti Aksela

19.12.19 5 min. read

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